前半で紹介したTCAピーリングの「ミラノリピール」と「マッサージピール(PRX-T33)」。どちらもシミやたるみの改善などエイジングケアとして人気が高い施術です。ただ、その違いを理解している人は少ないかもしれません。今回は、効果や痛み、ダウンタイムなどを比較していきます。

解説:HPCひまわり美容クリニック院長 後藤瞳
一番大きな違いは「TCA」の濃度!
後藤:「ミラノリピール」と「マッサージピール」は、「トリクロロ酢酸(TCA:trichloroacetic acid)」の濃度や、含まれている成分に違いがあります。TCAはミラノリピールの方が「35%」と高濃度ですね。
成分が異なるものの、経験上、長期的な効果はそこまで差がないように思います。どちらも、艶・ハリをアップさせたい方にピッタリのピーリング剤です。
特に身体の色素沈着が気になる方は、ミラノリピールがおすすめです。サリチル酸や酒石酸、クエン酸などの角層に作用するピーリング成分が配合されているため、回数を重ねるたびやけどの痕や傷痕など、茶色くなってしまった色味が薄くなっていきます。
痛みやダウンタイムに違いはある?
後藤:施術時の痛みですが、それほど感じません。どちらも少しピリつく程度です。むしろ、痛いと感じる場合は、早く拭き取るなどの処置が必要。すぐに施術者へ伝えてください。
ダウンタイムは、施術からどちらも3~4日目に薄皮がむけ始めます。ミラノリピールは5~7日、マッサージピールは2~3日程度、その状態が続きます。とはいえ、遠くから見てわかるほどではないので、そこまで気にならない人が多いです。
ただし、身体の場合はターンオーバーの期間が顔よりも長いです。そのため、皮がむけ始めるタイミングは治療から約一週間後。皮むけの期間は部位によってまちまちですが、1~3週間くらいじんわりと続きます。
施術後のアフターケアには何をすればいい?
後藤:TCAピーリングのあと、皮膚を酸性で保つとリバイタライジング作用(肌本来の再生力の活性化)が効率的に起こります。そこでオススメなのが、「WiQo(ワイコ)フェイスフルイド」。グリコール酸が8%も配合されている美容液です。治療から翌日以降、赤みやひりつきがなくなってからの使用開始になりますが、一緒に使うことでさらなる効果を引き出せます。
また、しっかりとした保湿ケアも重要。治療後は一時的に乾燥しやすくなるため、いつも以上に保湿を強化してください。シアバターが配合されている「WiQoナリシングクリーム」は、「これで保湿できない肌はない!」と言われるほどの人気商品。ヘビーユーザーも多いです。そのほか、季節に限らず紫外線ケアは怠らないようにしましょう。
TCAピーリングはこんな人にオススメ
後藤:下記に当てはまる人はTCAピーリングがオススメです。
- エイジングケアに興味があるが、美容クリニックは初めて
- レーザー治療とのコンビネーションで効果をアップさせたい
- たるみ治療の間のメンテナンスをしたい
- お肌のベーシックメンテナンスをしたい
今回紹介した「ミラノリピール」や「マッサージピール」は、強い痛みはなく、麻酔も不要。レーザーに抵抗がある美容初心者でも安心の施術です。特に、身体の色素沈着が気になる方は「ミラノリピール body」、顔のツヤ感をアップさせたい方は「マッサージピール」が向いていますよ。
監修:HPCひまわり美容クリニック院長 後藤瞳